長屋の計画 − 敷地をデザインする
集まって住む風景を計画する。ふつう集合住宅では、大きな一つのボリュームを小さな住戸に分割する。この集合住宅では、敷地そのものを分割する。集まって住むことで、いろいろな形に敷地をデザインし、敷地そのものから建築を考えはじめることができる。
それぞれの敷地は数カ所で折れ曲がった細長いかたちをしている。幅が3mで端から端まで歩いて50m以上の距離がある。面積は180m2。1戸あたり4、5本の木を植えることで、けっこう大きな森ができあがる。敷地全体がプライベートな森のなかのインテリアになったような雰囲気を持っている。
住戸の大部分は平屋で、各住戸に一つずつ3階建ての部分がある。平面的に長く広がった敷地のかたちを利用していろいろな使い方ができる。敷地の入り口から一番遠いところに、ゲストハウスをつくったり、2方向に別れている敷地は、2世帯住宅やソーホーとして使うことができる。広い庭を利用して、とれたての野菜を出すレストランをつくることもできる。2階にあがると木々に囲まれ、森のなかにいるような空間。3階まであがると、木々よりも少し高いところにでてくるので、森を一望することができる。
光や緑がいっぱいあって、大きな空を眺めたり、風が吹いていたり、雨が降ってきたり、静けさもあるけど隣に住む人と話が出来たり、森を散策したり、木漏れ日の中で仕事をしたり、ふつうはパブリックな場所でしか得られないような環境をプライベートな状況の中に作り出せたらいいと思う。
主要用途: 集合住宅 / 敷地面積: 1,260m2 / 建築面積: 387m2 / 延床面積: 513m2 / 設計期間: 2006年9月〜
賞
掲載誌
JA 82 日本の都市空間 2011
Pasajes de arquitectura y crítica No 118